最近、ダイエット薬として注目されているリベルサス。
一見普通の内服薬ですが、間違った飲み方をしてしまうとダイエット効果が得られないことも!
今回の記事ではリベルサスの飲み方をわかりやすく解説するので、「初めてだから不安……」という方でも安心してくださいね。
リベルサスとは
飲み方を解説する前に、まずはリベルサスについて簡単に紹介します。
リベルサスは、糖尿病治療のために開発されたGLP-1受容体作動薬という薬です。
有効成分のセマグルチドには、主に以下のような作用があります。
- インスリンの分泌をコントロールし、食後の血糖値の上昇を抑える
- 胃腸の働きを抑制し、食べたものの消化を緩やかにする
これらの作用により、身体が太りにくい状態になる、空腹になりにくくなるなどダイエットにも効果を発揮します。

リベルサスの正しい飲み方
リベルサスは錠剤タイプの飲み薬ですが、一般的な飲み薬とは違いやや特殊なルールがあるので注意しなければなりません。
間違った飲み方で服用しているとダイエット効果が得られない可能性があるため、必ず正しい飲み方を理解しておきましょう。
服用のルールはいくつかあるので、次項から順番に解説していきますね。
起床後、飲食をする前の空腹の状態で飲む
リベルサスは、胃に食べ物や飲み物が入っている状態だと吸収が悪くなってしまいます。
食後に服用してしまうと十分な効果が得られなくなる可能性があるため、起床後がの服用がベストなタイミングと言えます。
起床後であれば夕飯も既に消化された状態なので、吸収に影響を与えることなく成分を取り込むことができます。
あくまでも空腹であることが重要なため、必ずしも毎日同じ時間に服用しなければならないというわけではありません。
食事を摂る時間は人それぞれなので、6時間以上の絶飲食をした状態を目安に服用すると良いでしょう。
空腹なら夜に飲んでも大丈夫?
食事をしてから胃が空っぽになるまでは、3~5時間程度かかると言われています。
起きている間は食事以外にも、飲み物を飲んだり間食を摂ったりしますよね。
そのため、全く飲食をしないというのは難しく、夜の時点で6時間以上の絶飲食状態になっているのはまれです。
食事の内容や量によって消化にかかる時間は異なるため、起床後の服用をおすすめします。
1錠を120ml以下の水で飲む
リベルサスは胃の内容物の影響を受けやすい性質を持っているため、例え水であってもたくさん飲むと吸収が悪くなってしまいます。
一般的な飲み薬はコップ1杯(180~200ml)の水で服用することが多いですが、リベルサスはその半分程度の120ml以下で服用しましょう。
また、コーヒー・お茶・ジュース・服用ゼリーなどと一緒に飲むと吸収に影響を与えてしまうため、必ず水で服用してください。
飲みづらいからといって、錠剤を噛んだり割ったりすることも避けましょう。
少ない水で飲む時のコツ
少ない水で錠剤を飲むのが苦手な方に向けて、簡単なコツをご紹介します。
錠剤を口に含んだ際、薬が喉から離れた位置にあると飲み込むのが難しくなります。
そんな時は、錠剤と水を口に含んだら舌を上あごにつけて薬を口内の奥へと移動させましょう。
すると、水を飲み込んだ際に薬も一緒にスルッと流れていきます。
この方法を実践することで、少ない水でも飲みやすくなるのでおすすめですよ。
飲食は服用後30分以上経過してから
リベルサスを飲む時は空腹であることが重要ですが、同様の理由で飲んだ後の飲食も避けなければなりません。
せっかく空腹時のベストなタイミングで服用したとしても、すぐに飲食をしてしまうと吸収が悪くなってしまいます。
服用後は、最低でも30分は飲食を避けるように心がけましょう。
飲み忘れた場合の対処法
うっかり薬を飲み忘れてしまった場合は、そのまま薬は飲まず翌日に1回分を服用するようにしてください。
服用前に飲食をしてしまった場合も同様です。
1日飲み忘れてしまったからといって2日分まとめて飲んでしまうと、副作用のリスクが高まる可能性があるので絶対に避けてください。
朝起きたらすぐに目に入る場所に置いておくなど、なるべく忘れないための工夫をすると良いでしょう。
リベルサスの取り扱いに関する注意点
リベルサスは、飲み方以外にも注意しなければならないことがあります。
ここでは、取り扱いに関する注意点を解説します。
飲む直前に錠剤を取り出す
リベルサスは湿気や光に弱く、シートから出した状態で置いておくと薬の性質が変わり、思わぬ薬害を引き起こしてしまう可能性があります。
旅行などで持ち運ぶ場合であっても、必ずシートのまま持って行くようにしてください。
また、薬を保管する場所は直射日光を避け、なるべく湿気の少ない場所を選ぶと良いでしょう。
他にも、リベルサスをピルカッターで半分に割って服用する方も見受けられますが、外気や光に触れることで薬の性質の変化を招く危険性があるので避けてください。
シートは縦に切らない
薬が封入されているシートには、横にミシン目が入っており手で簡単に切れるようになっています。
そのミシン目に逆らって縦に切ってしまうと密封状態ではなくなり、薬の品質に影響を及ぼしてしまうので注意してください。
もし、シートを細かく切って保管したいという場合は、横に入っているミシン目に沿って切ると密封状態を保つことができます。
リベルサスの副作用について
リベルサスには、以下の副作用が発生する可能性があります。
重大な副作用 | 低血糖、急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸 |
---|---|
一般的な副作用 | 悪心、下痢(5%以上) 便秘、嘔吐、食欲減退、頭痛、腹痛など(1~5%未満) |
重大な副作用を引き起こしてしまうと、最悪の場合命にも関わります。
万が一下記のような症状が出た場合はすぐに服用を中止し、医師の診療を受けてください。
副作用 | 主な症状 |
---|---|
低血糖 | 血糖値が下がりすぎることで、冷や汗や動悸等の症状が現れる |
急性膵炎 | 膵臓が炎症を起こすことで、上腹部に激しい痛み等が現れる |
胆嚢炎 | 胆嚢が炎症を起こすことで、腹痛や発熱等が現れる |
胆管炎 | 胆管が閉塞し胆汁が滞留することで、腹痛や発熱等が現れる |
胆汁うっ滞性黄疸 | 体内に胆汁が蓄積することで、黄疸や皮膚の痒み等が現れる |
リベルサスの用量について
リベルサスには3mg/7mg/14mgの3種類の用量があり、高用量になるにつれて効果も強くなっていきます。
それに伴い副作用のリスクも高まるため、用量は慎重に選ばなければなりません。
初めて使う場合は、まずは最小用量である3mgがおすすめです。
その後、4週間継続して服用してもダイエット効果が感じられない場合は7mgへと増量しましょう。
「早く痩せたい!」「とにかく効果が強いものが欲しい!」という場合でも、7mgや14mgからの使用は避けるべきです。
リベルサスは医薬品なので、場合によっては重大な副作用を引き起こしてしまう可能性もあります。
先述した副作用のリスクを理解した上で、低用量から使用するようにしましょう。
決められた用量で1日1錠を守る
リベルサスは1日1錠と定められています。
複数錠服用することで吸収率が悪くなる可能性があるため、ダイエット効果を得るためには正しい方法で服用することが大切です。
- 14mgの代わりに7mgを2錠服用する
- 3mgで効果が感じられないので2錠以上服用する
また、用量を守らず過剰摂取してしまうと薬の作用が過剰に現れる可能性があります。
血糖値が下がりすぎて低血糖になったり、胃腸の働きが抑制されすぎて消化不良を起こしたりするリスクがあるため、用法用量は遵守しましょう。
「たくさん飲めば早く効果が出る」といった誤解をせずに、「決められた用量を1日1錠」というルールを必ず守ってください。
リベルサスと他の薬の併用について
リベルサスを服用する際は併用に注意が必要な薬があるので、下記の一覧表をもとに解説していきます。
ビグアナイド系 薬剤 |
メトホルミンなど |
---|---|
スルホニル ウレア剤 |
オイグルコン、ダオニールなど |
速効型インスリン 分泌促進剤 |
ナテグリニド、ミチグリニドなど |
α-グルコシダーゼ 阻害剤 |
ボグリボース、アカルボースなど |
チアゾリジン系 薬剤 |
アクトス、ピオグリタゾンなど |
DPP-4阻害剤 | ジャヌビア、テネリアなど |
SGLT2阻害剤 | フォシーガ、ジャディアンスなど |
インスリン製剤 | ノボリン、ヒューマリンなど |
レボチロキシン 製剤 |
チラーヂン、チロナミンなど |
ダイエット薬として使用される薬はリベルサスの他にも、フォシーガやメトホルミンなどの糖尿病治療薬があります。
これらの薬にも同様に血糖値降下作用があるため、併用すると効果が増強され低血糖リスクが高まってしまいます。
ダイエット薬は併用したからといってさらに痩せられるわけではなく、むしろ身体に及ぼず悪影響の方が強いので注意が必要です。
ダイエット目的で薬を用いる場合は、効果が同じ薬は1種類までの使用に留め、併用は避けるようにしてください。
表に該当する薬を使用している場合は、リベルサスを使用する前に医師に相談しましょう。
参考:禁忌含む使用上の注意 | 基本情報・Q&A | MSD Connect
まとめ
リベルサスは、ダイエットに効果を発揮する非常に優れた薬の一つです。
ただし、より効果的に活用するためには下記のポイントを押さえることが重要です。
- ベストな服用タイミングは起床後
- 120ml以下の水で飲む
- 1日1錠
正しい使用方法を心がけ、ダイエットに役立ててくださいね。
